拝啓 ○○へ
私がとっているある新聞の夕刊のトップページに、「拝啓 ○○へ」という、読者から投稿された手紙を載せる小さい欄が設けられている。
投稿者である読者は、自分の父や母、夫や妻、時には娘や息子へ、またあるときは高校時代の恩師へなど手紙の相手は様々であるが、その場を借りて相手に思いを伝えるというわけだ。
あるときから読み始めたのだが、これがなかなか面白い。自分とは違った人生を歩んでいる人々の様々な考えを知ることができ、ある意味「人間臭さ」を感じるのである。
先日、「これは」と笑ったものがあったので一部紹介したい。
手紙のあて先は、今何かと話題の「ヨン様」である。「拝啓 ヨン様へ」という題名を見たとき、若いファンの女の子が書いたのかと思った。そうと思いきや、差出人は50歳前の女性である。
その女性は去年うつ病で苦しんでいた時に、今大ヒットしている「冬のソナタ」というドラマを見てヨン様に出会ったというのだ。薬の副作用で心も体もボロボロだった彼女を、ヨン様の優しい笑顔が癒してくれたらしい。そのお陰で今ではうつ病も治ったそうである。
最後の一行がとても印象的だった。
「今でも、あなたの写真に、夜は「おやすみなさい」と言い、「冬ソナ」の音楽を聞きながら眠ります。」・・・あなたなら誰に手紙を書きますか?