チャリンコもって出かけよう!
【計画編】
昨年末のとある日、行きつけの飲み屋で友達と「また、どっかいこか?」と話していた。
彼とは昨年のゴールデンウィークに「しまなみ海道」(今治→尾道)を折り畳み自転車で駆け抜けた。今回ももちろん「チャリンコで」である。彼は1周フェチなので、過去にも屋久島1周や小豆島1周を成し遂げている。
彼「まぁ、琵琶湖1周か、淡路島1周か、2泊3日くらいで」
私「2泊やったら行けそうかな?会社休めるのはたぶん3月の頭くらいかな?」
と言う会話でその夜は終わった。
家に帰ってきて、持っているサイクリングマップをみると、両方とも長くてきつい、難コースである。すぐさま彼にメールして、ちょっと別のコースを考えて貰うことにする。
月日は経って1月中旬、彼から「石垣島1周にしよう!」との提案。手持ちのサイクリングマップには、南は九州までしか載っていなかったし、沖縄好きの私は「ええな、それ」と快諾。日程を3月初旬に決めて彼に計画を委ねた。が、彼は計画をほったらかしていた。自分の彼女を誘うのに手間取って。
2月中旬、やっとツアーを決めた。「往復飛行機料金+石垣市街の安ホテル1泊付き・日程は自由」というよくあるツアー。それから、行程の検討である。彼の彼女が同行すると言うことで、「宿だけきちんと予約してくれたら、文句は言わへんから」と彼に一任。しまなみ海道では、ゴールデンウィークだというのに宿の予約をしておらず、宿を探し回るという大変な経験をしているため、この条件だけは譲れなかったのだ。(笑)
ようやく、出発1週間前に大阪→石垣島→竹富島(泊)→石垣島・白保(泊)→石垣1周→石垣市街(飲・泊)→大阪という3泊4日の日程が決定した。どうせ行くなら離島にも、という欲張り心で竹富島が加えられ、また女性が参加すると言うことで、チャリンコで1周するという目的はねじ曲げられ、石垣島はレンタカーで周ることとなったのである。
などと文句たらしいことを書いてはいるが、無事行程が決まったので、私は「るるぶ(石垣・宮古編)」を買った。この本で初めてチャリンコで石垣島を1周するのは無謀だと気づき、今回の行程に納得するのである。この時、自然と目的は観光に変わるのであった。
【3月4日】
予定。
10:10伊丹発、那覇空港で乗り換えて、石垣空港着は13:45。空港から離島桟橋までゆるりとチャリンコで。船で渡って、竹富島の宿には余裕を持って16時には着く。
これが出足から躓く。当日の大阪は雨にもかかわらず、メンバーはきちんとフライトの1時間前には伊丹に揃っていた。なのに関東を襲った大雪の前に「機材が揃っていません」とのことで、1時間遅れの出発。(その後天候にずっと悩まされ続けるのであるが、そんなことは知るよしもなかった) この日の空のダイヤはメチャメチャで那覇空港で連絡する便も何が原因なのかわからないままにずるずると1時間遅れ。昼飯は空港の売店で立ち食いソーキそば。もっとちゃんとしたものを食いたかった。
石垣空港の短い滑走路による凄いブレーキのGの歓迎を受けて、石垣島に到着したのは15:30を回っていた。急いでいるにもかかわらずタクシーやバスには目もくれず、チャリンコを組み立て市街を目指す。繁華街にはすぐ着いたが、そこから離島桟橋に行くのに迷う。乗れた船は竹富島へ行く最終便の1本前。他の乗客は0。たかだか10分間の乗船だが港を出ると海の色がもう違ってくる。まさしくエメラルドグリーン。しばらく見とれるのだが、この船が飛ばす、飛ばす。尋常な揺れではない。なんとか竹富島の民宿に着いたのは日も暮れかけた17:00過ぎ、宿のおばぁが「もうすぐ食事ですよ」という頃であった。予定では食事前に夕日が綺麗に見える西桟橋へ行く、となっていたが叶わず。予定通りに着いても、雨こそは降っていないが曇天で見られなかったのではあるが。
食事は沖縄らしい食材を使ったもので、満足。悔しいので、食後に西桟橋へ行ってみるが既に真っ暗でなおかつ吹く風が寒い。ここはほんとうに沖縄なの?という感じで、大阪で着ていたフリースが役立つ程。翌日に聞いたのであるが、この日は竹富島の最低気温を更新した日なのであった。
宿に戻ってやることは1つ。酒である。この民宿は商店も兼ねているのでビールは店先にある自販機で買う。同宿の人も、たぶん他にやることがないので、(じゃなくって、たぶん親交を深めるため)みんながぞろぞろと食堂に集まってきて飲む。集まったのは、我々3人と、1人旅の人が4人。最初はビールで乾杯などしているのであるが、このあたりの宿は、自由に飲んでいい泡盛が置いてあるシステムなので、そちらに移る。色々な沖縄好きの人たちの話が面白くて盛り上がる。離島を回っている人から離島で買った珍しい泡盛を飲ませて頂いたり、三線を弾いて貰ったり。連泊している人なんかは慣れたもので、酒瓶が空いたら新しいのを台所へ取りに行ったりしている。そうこうしていると、宿のおじいから「五月蠅くて寝られん」とのお叱り。時計を見るともう1時をまわっているではないか。で、お開き。楽しい時間は早く経つものである。