右と左の、おかしらつき

お祝い事につきものの「鯛の尾頭付き」は、漢字の通り「尾」と「頭」が付いているので「頭から尾まで」が転じて「最初から最後まで」という意味で「完全」「素晴らしい」「縁起が良い」とされています。

なので「お頭付き」と書いたり、漢字で書かなくても「頭が付いている魚」と言ったりすると恥ずかしいので、ご注意を(笑)

ところで、魚の絵を描くとき、不思議と左側を向いた絵を描きませんか?実際、街中でも「右向き」の「魚の絵」を見たことが無いと思います。これは、諸説ありますが、日本では焼き魚等が左向きで出されるから(その記憶で)という説が、なんとなくしっくりときますね。(欧米では、右向きが多いそうです。)

しかし、そんな日本でも例外的に「右向き」に皿に盛られたり「右向き」の絵が描かれる事の多い魚があります。なんだか判りますか?

そうです。「カレイ」です。「カレイ」は、目が体の右側に寄っているために、頭を左側にすると「目」が下側になって隠れてしまう(もしくは、腹が上になってしまう)ので、右向きに置かざるを得ないんですね。

この「ヒラメ」と「カレイ」の見分け方は、昔から「左ヒラメの右カレイ」と言われる様に、腹を手前に置いた時に、顔が「左」にあるのが「ヒラメ」で「右」にあるのが「カレイ」です。

ちなみに「ヌマガレイ」という「カレイ」は、顔が左にありますし、なんとアメリカ西海岸では「カレイ」の半分は「左向き」らしいです。いやあ、オドロキです。

じゃあ、どうやって見分ければいいかというと、特徴的なのは「口」の大きさです。「ヒラメ」は、鰯とか鯵とかを食べるので大きな口で「歯」がするどいです。それに比べて「カレイ」は「口」が小さく「歯」も目立ちません。

もし「カレイ」と「ヒラメ」を見分ける必要があったら思い出して見て下さい。きっと役に立ちますよ。(まあ、そんな機会は滅多に無いと思いますが。笑)

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