汚名挽回
最近、TVやネットの影響で「これ実は間違いですよ」的な話が多く聞かれます。いわゆる「誤用」問題です。
以前にも書きましたが、言葉は時代と共に変遷し、昔は「誤用」と言われていても現在では「正しい」と言われる事が結構あります。そして、いつのまにか本当は正しい方が、間違ってると言われてしまうこともあります。
「汚名挽回」は「汚名返上」とするのが、正しいと言われています。「汚名」は「返上」するもので「挽回(元の状態に戻す)」すると「汚名」の状態に戻ってしまうからと言う理屈です。「汚名」は「返上」しないといけない訳ですね。なるほど、その通りです。
同じ様な言葉(実際には、使い方に違いがありますが。)に「名誉挽回」があります。この「名誉挽回」と「汚名返上」が混ざって「汚名挽回」が「誤って」使われることになったのだろうと言われています。
しかし、この「挽回」の「元の状態に戻す」という意味から考えると「汚名」を「元の状態に戻す」ことで、正常な状態に戻ったともとれるのでは無いか、と昨今では「汚名挽回」も問題無い、むしろ昔から良く使われているのだという話が出ています。まさに「汚名挽回」の「汚名挽回」なるかと言うところです。
私が子供の頃に習った事が結構「無かったこと」にされています。「冥王星」は、惑星では無くなっていますし「聖徳太子」は、もう居ません。「足利尊氏」と言われた人物の武者絵も、今では単なる「騎馬武者」と記されています。
学生時代の社会の先生は「歴史は変わらない」とよくおっしゃっておられました。実際、歴史は変わらないと思います。でも、歴史の教科書は結構変わってるみたいですよ(笑)