Ambition of TABACYA1
ince 21 SEP. 1997
コラム
愛すべき阪神ファン

去年の阪神タイガースは非常に強かった。
私は機会に恵まれシーズン中2回も甲子園球場に足を運ぶことができました。 去年の甲子園のチケットはなかなか取り辛く、甲子園に行くというと みんなから本当に羨ましがられました。

特にこの選手の大ファンだ!という訳でもない私でも、やはり関西人の 血が流れていて、なんとなく、阪神ファンを公言しています。

関西の阪神ファンというのはほんとにおもしろい。 甲子園で試合が始まる前にビールを飲みながら試合を待っていたとき、 隣に見知らぬおっちゃんが座っていました。 初めはおとなしそうに座っていたおっちゃん。 試合の時間が刻々と迫ってくると、だんだん興奮してきたのか、 なんだかそわそわし始めました。よく見るとそのおっちゃんの顔はもうすでに 真っ赤になっていました。足元にはビールの紙コップが3個も落ちていました。

先発出場の選手の名前がアナウンスされ始めると、おっちゃんは もう我慢できなくなってきたのか、選手の名前が一人発表されるごとに

「うぉ〜・・・・!!!」

と雄たけびをあげながら、ばんざいをしていました。 だんだんエスカレートしてきて、私の領域を侵しはじめ、私は少し イライラしてきました。

「うぉ〜・・・・・・・!!!!」

大喜びで、おっちゃんはバンザイを続け、 私のイライラもピークに達しかけたそのとき、突然おっちゃんは私に 「今年の阪神はええなぁ!姉ちゃんも試合みてておもろいやろ?どや?」 と声をかけてきました。

それまでイライラしてもう少しこっちに寄ってきたら絶対一言言うてやる!と 心の中で誓っていたのに、人懐っこい顔を向けてきたので怒りもスッと 消え、「おもしろいですよねぇ!」と思わず返してしまいました。

ようやく選手紹介が終わり、いよいよ試合開始、という頃になって 突然おっちゃんが席を立ちました。下に散らかっていたビールの紙コップを 拾い、「じゃ!」という感じで片手をあげてそのおっちゃんはどこかへ 行ってしまいました。

トイレにでも行ったのかなと思っていたのですが おっちゃんはもう戻ってくることはありませんでした。

おっちゃんのいた席にしばらくするとかなり体格のいいめがねをかけた 男性が座りました。彼は小さなパソコンを出し、 何やらぶつぶついいながら試合を観戦していました。

私は彼が何をぶつぶつ言ってるのかものすごく気になって 試合が始まってもあまり試合を見ずに、彼の言うことに耳を傾けていましたが 彼が関西弁で独り言を言ってるということ以外は 周りの歓声でよく聞き取れませんでした。

甲子園球場からの帰りの電車の中で、私はあのおっちゃんとパソコンの 男性がどうして入れ替わったのか?あのおっちゃんはどうやって甲子園に入ることが できたのか?おっちゃんはその後試合を全部見ることができたのか? パソコンの男性はパソコンばかり見て試合をちゃんと見ていたのか? 彼らは野球が本当に好きなんだろうか? というようなことを考えました。

今から思うと彼らは野球が大好きで、タイガースが大好きだったんだろうな と思います。

関西人でもいろんな人がいますが、根本的に関西のタイガースファンは みんなマイペースな人が多いと思います。自分のしたいようにしながら それぞれの楽しみ方で試合を見てるのです。

今年もオープン戦が始まり、例年のごとく「オープン戦はめっちゃ強い阪神」を 例年のように応援する阪神ファンが私の周りにはたくさんいます。 みんなそれぞれのスタイルで応援をしています。 今年も優勝めざして、がんばれ〜!阪神!!

コラム情報
タイトル
愛すべき阪神ファン
コラムニスト
ぽろろん
掲載日
2004/3/8
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