蒼天の舞台へ

コミックバンチという週刊誌がありました。すでに廃刊となってしまったのですが、その雑誌に連載されていた「蒼天の拳」という漫画があります。

掲載雑誌の廃刊と共に最終回を迎えてしまったために、最後の方はバタバタと終わってしまった感がいなめませんが、前作同様(「北斗の拳」のシリーズ作品です。)大変な人気漫画でした。その主人公「霞拳志郎」が生まれたとされるのが、中国浙江省にある「寧波(にんぽー)」という街です。

そんな「寧波」に、最近流行の聖地巡礼に行った・・・訳では、もちろん無くて、仕事で行ってきました。寧波のあたりは結構有名な観光スポットもある様ですが、例によって仕事での訪問だったので、まったく知りません。(悲)

寧波には、2泊3日の滞在でしたが、仕事で訪問しているので仕事先とホテル(と近所のレストラン)ぐらいしか行ってないのですが、仕事先とホテルが車で片道1時間ぐらい掛かる場所で、車の窓から見る景色は、それはそれは広大な土地であったことは、言うまでもありません。

ホテル近くでは、現地スタッフと一緒に食事に出かけ,食べたのが「火鍋」です。「火鍋」というと、日本では「辛い鍋」というイメージ(もしくは、お鍋を二つに仕切って、赤と白の2種類のスープを入れた鍋料理)をしますが、この時にいただいたのは、白湯スープのみのもの。さっぱりしててとても美味しかったです。

火鍋

鍋に入れる具材は、好きなものを自分でチョイスするスタイルで、海老や肉類、野菜なんかを煮込んでいただきました。上の写真の奥に見えるのは「活けアワビ」です。なんと贅沢にも一人1個いただいてしまいました。

火鍋には、肉を用いるのが普通なのだそうですが、寧波は、海鮮が名物らしく、このお店では新鮮な魚介類(直前まで、水槽で泳いでいます。)もいただけます。

そして驚くのが、その安さ。お店は、欧米人や日本人滞在者も多く訪れるいわゆる高級店で、普通のレストランに比べて料金は高めだと聞いていたのですが、なんと4人でたらふく食べて、飲んで(主に青島ビールですが)850元ぐらい。(日本円にして、約11000円ぐらい。)なんと一人2700円です。それでも高級店だというのですが、驚きです。(そういえば、お昼に工場の食堂でいただいた定食は、結構美味しかったのに、6元≒80円という安さでしたね・・・。それも従業員は全部只だそうです。)

その一方で、街には高級車が溢れていました。ベンツ、アウディ、レクサスに果てはランボルギーニのディアブロまで、最近日本でも、そうそう見ない高級車で一杯でした。そんな高級車が走る街中でも、譲らない、割り込む、クラクションを鳴らしまくるあたりは、流石中国で、センターラインを割り込んで追い越ししているその車を、外側から抜き去る運転を見た時には、驚きを通り越して思わず笑ってしまいました。

いつでも、自分中心で譲ることの無い中国人というイメージが私の中でさらに確信に変わりましたが、現地の総経理(日本で言う社長)からこんな話を聞きました。総経理は、それなりのお歳なので、頭は白いのですが、電車に乗ると若者がすぐに席を譲ってくれるらしいです。それは、本当に小さな子供から高校生ぐらいの青年まで、ごく普通に、ごく自然に席をゆずってくれるとのことです。儒教の教えを今でも守っているのでしょう。これには、深く関心しました。

その考えを車の運転にも活かしてくれたらもう少し安心して街中も走れるのにと、その場にいた全員が口にしていたのは、ご愛敬です。(笑)

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