Ambition of TABACYA1
ince 21 SEP. 1997
コラム

あれから

神戸の震災から、20年が経ちました。

私が生まれて物心ついてから、地震らしい地震も無く、関西地方は地震が少ない地域だと信じて疑いませんでした。(実際、世の中の意見の大半がそうだったと思います。)それが、あの日の地震で間違いであった事に気付かされました。

幸い、我が家には大きな被災も無く家族も無事でした。友人達にも特に大きな問題はありませんでしたけれど、あの震災で、家も財産も、そして家族でさえも無くしてしまわれた方を思うと胸が痛みます。

あの震災を直接、神戸の自宅で経験をした知人が後に語ってくれた「体験」は私の想像の及ぶ所ではありませんでした。

彼が言うには、震災の時、いったい何が起こっているのか判らなかったと。あまりに激しい揺れというか、突き上げられる勢いで、地震だと思わなかったと。そして、揺れが治まり自分が助かったことに安堵した後に「もし、この世の中で生きているのが自分だけだったらどうしよう」と、ものすごく大きな不安に駆られたそうです。その恐怖は、私にはとても想像できませんでした。

あの震災の年に生まれた子供達がもう成人です。あの大惨事の記憶はもちろん無いでしょう。昔の映像や写真でしか見たことが無いでしょう。神戸ルミナリエがどんな想いで始まったかも知らないでしょう。話を聞いても、きっと遠い昔のことの様に感じてしまうかも知れません。それほどまでに、神戸の街は復興を遂げています。あの震災の面影は、わずかに残る記念碑にしか残されていません。

あれから20年。街も人々の心も大きく立ち直りました。後ろを向いていても前を向いていても時は過ぎていきます。だったら前を向いていきましょう。

あれからまだ20年、あれからもう20年、どちらにしても、私たちには、今日も明日もあるのです。「あれから」よりも「これから」を大事にしていきましょう。

コラム情報
タイトル
あれから
コラムニスト
TABACYA1
掲載日
2015/1/19
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