バリアフリーよりユニバーサルデザインを
骨折して松葉杖生活になると、街は障害者に優しく無いなぁとつくづく感じます。
住んでる人達、街ゆく人達は、みんないい人です。エレベーターに乗ろうとしたら、ドアを開けて待っててくれたり(下りるときもです。)私が歩きやすい様に道を譲ってくれたり、わざわざ走ってきて先に自動ドアを開けて待っててくれたりととても親切です。これは外出した先でも同じで、やっぱり皆さんとっても親切です。
じゃあ、いいじゃないと思うかも知れませんが実は違うんです。
マンションの敷地と舗道の間に少しスロープがあります。舗道と道路の境にもあります。建物の入り口にもあります。とんでもなく急なスロープという訳ではありません。でも松葉杖だと怖いし困るんです。
もちろん松葉杖も慣れれば問題無いでしょう。扱いが上手くなれば、階段だって上り下り出来るでしょうし、走ることも出来ます。(私も中学時代は松葉杖で走ってました。歩幅?が広くなるので、普通に走るより早いぐらいでした。疲れますけど。笑)
でも、だいたいの人は扱いにも慣れてなくて怪我した所も痛くて、フラフラしてます。そんな時には、こんな少しの段差がとても怖いですし、ヘタすると松葉杖がつっかえて歩けません。
舗道に乗り上げて駐車している車も困ります。車が止まっているので、いったん舗道から下りないといけませんが、その段差がやっぱり怖いんです。
道に飛び出してるお店の看板も怖いです。看板部分は視認出来ていますし避けられますが、看板の台座部分が思ったより飛び出ています。普通に歩くときは気にならないですが、松葉杖の歩き方は、体の幅よりも広く使います。なので思わぬところで引っかかります。(想像の通り、転けそうになります。)
普通の舗道も歩きにくいところがあります。
水はけのために、少し斜めになっています。普段気にしたことはありませんでしたが、松葉杖だと片方だけ低いのは非常に歩きづらいです。
もちろん色々な理由があってそうなっていることは理解していますが、ここ最近松葉杖で歩いて感じた正直な感想です。
在職中、ボランティアで小学校に「ユニバーサルデザイン」を教えに行ってました。その時のこんな説明が好きでした。
「段差のあるところにスロープを付けるのが「バリアフリー」だけど、最初から段差を無くそうとするのが「ユニバーサルデザイン」です。みんなに優しいでしょう。」
私自身も「なんでこんなところに段差があるんや!」とプリプリ怒るんじゃなくて「こういうところで困るんだな」ということに気付いて、手助けをしてあげられる優しさを持たなくてはと感じます。
もうひとつ、よく言ってた言葉があります。
「困ってる人を見たら助けてあげて欲しいです。だけど無理しなくていいです。知らない人を手助けするのは、とても勇気のいることですから。でも、もし少しの勇気が出たらまずは声を掛けてあげて下さい。どちらも少し幸せになれますよ。」
私はいま街中で色々な人に助けられて幸せです。なので「ありがとう」と笑顔で応える様にしています。ほんの少しでもお返しが出来て、幸せな気持ちになってもらえてたら嬉しいんですけどね。